富士山は世界遺産。(3) update ver.
2013年5月4日
いよいよイチゴが赤く熟してきまして、今年最初の収穫を迎えそうでありますけれども、やっぱり去年よりも早いのでありまして、桜も早く開花しましたが、イチゴの熟すのも早いというような、何とも言えずせっかちな春なのであります。
花粉の方はようやく少なくなったようでありまして、本日はもう窓を開け放しても構わないと感じましたので、恐るべきは本能かも知れません。5月のゴールデンウィークまで花粉が飛散するとは思っていなかったのでありまして、寝ている時に両方の鼻孔が詰まった時には、喉の奥までカラカラでありまして、ひょっとすると肺の一部も乾燥していたかも知れないのであります。そのままミイラになったらどうしてくれたんでありましょうか。鼻血の出た時もありましたし、デパートの催し物コーナーで見付けた「ハッカ油」がなかったら、どうにもならない2ヶ月でありました。
まもなく完熟予定のイチゴ。初物です。
「ハッカ油」というものを今年になるまで知らなかったのでありますが、売り子のお姉さんが熱心でありまして、すごく花粉症に効きますよと言うのでありましたが、まさか嘘でしょと疑ったんでありますけれども、教えられた通りマスクに噴霧しますと、これがまあ鼻が通ってしまうのであります。座布団に振りかけるとダニが100%死滅するというようなものでありまして、アマゾンコムで確認するとカスタマレビューは絶賛の嵐でありまして、なるほどすごいものが世の中にはあったのであります。
要するに杉などの花粉が鼻を詰まらせるアレルゲンであるなら、それを上回る刺激があればアレルゲンに対する反応が抑えられるわけでありまして、もちろんですが仕事の現場に行って何かしようとすると鼻は通るし鼻水は一時的に止まるわけで、そうした仕事という刺激と同じくらいハッカの効能は高かったということなのであります。第二次世界大戦前の日本はハッカの世界一の生産国だったのでありまして、その時のノウハウが残っておりまして、「ハッカ油」は北海道北見の会社が販売しているものなのであります。ハッカ油を1回噴霧したマスクで3時間も花粉症に有効でありまして、どうして世の中はこういうものの存在をずっと私に隠していたのでありましょう?
ハッカ生産の名残は各地に残っているはずで、野生化したハッカもあるはずです。
日本のハッカ生産が世界の70%くらいに達した時期があるそうでありますが、そんなことはもう遠い過去のことになったようであります。今はメントールが化学合成されてしまうそうでありまして、農産物の買い付けに仲買人が右往左往していたなどと言う話がウィキペディアに書いてあっても信じられないような気がいたします。農業というのは何となく晴耕雨読、天気次第ののんびりした職業のように感じる人もいるのかも知れませんが、実はこれこそが商品取引の大本でありまして、世界の生産地の状況やら、世界の経済動向、ちょっとした金利の上がり下がり、株式相場の変動を受けまして、現場ではてんやわんやの買い付け騒ぎが発生するものなのであります。古米を求めてトラックを乗り付ける業者の姿を見たら、都会の人は震え上がることでしょう。
また別の完熟予定のイチゴ。
知っているのか?と聞かれたら、そんな瀬戸際の所は見たことが無いのでありますが、何となく噂に聞いたり、見て見ぬ振りをして過ごした子供時代がありました。第二次世界大戦前は、葉たばこだか絹糸だか、ともかく換金性の農産物をめぐって村ぐるみで詐欺にあって、東京まで代表が直談判に及んだなんて話が耳に残っております。ちょうど古紙回収の仕組みと同じでありまして、古紙の相場が上昇すると業者は定期的なゴミ回収の先回りをして、新聞紙の束などをゴミの集積場から引き抜いて参りますがああしたことはよくあるのです。
中国経済の活況を受けて、田舎で銅製品やら金属類の盗難が相次ぎまして、ついには電線が盗まれる、橋の欄干が抜き去られる、マンホールがなくなるなんて事があって、のんびりした田舎がパニックになったのは5年くらい前のことであります。全国ニュースで流れていたのかどうか、そのあたりは分からないのであります。
ハッカをめぐっても昭和の初めあたりは詐欺まがいの買い付けがあったようでありまして、農業というようなものは生き馬の眼を抜くような目利きがいる土地でないと盛んにはならないものなのであります。その代表格は二宮金次郎でありまして、彼の銅像が背負っている薪は自家消費の燃料ではなく、他人の土地で拾い集めた薪でありまして、売り物なのであります。つあり、あれをこれから街に売りに行くはずなのであります。
『二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか?―人口減少社会の成長戦略』 (文春文庫) なんて書物もありました。
書いたのは猪瀬直樹さんでありまして、もちろん(鞄に現金を詰めるパフォーマンスをさせれたことのあった)東京都知事の現職の方であります。この本は平成19年(2007)に出た本でありますが、二宮尊徳金次郎がどういう人だったのかと言うことを知る点でも有益でありますけれども、経済を知り経営を切り盛りすると言うことがどういうことなのか、具体的に分かるという点で有益な本であります。
金次郎は若い日に貧しい生活に甘んじるんでありますが、そこからの這い上がり方が書いてありまして、ものすごく勤勉でなければ成立しないような暮らしぶりでのし上がっていったのであります。私利私欲を前面に押し出さなくても、才覚と勤勉さによって金を手にすることができるということを身を以て実践したと言うことなのであります。経済関係の株屋さんなどは宗教の方へ行ってしまったりするようですが、金次郎の場合は経営手腕のすばらしさが宗教のように崇められたという典型でありまして、目からウロコが落ちる本ですから読んでおいて損はないのであります。
シャリンバイの咲く様子。
2020年のオリンピック招致問題で、猪瀬直樹知事の発言が問題視されたようでありまして、要するにライバルとなっているトルコのイスタンブールを中傷するような発言があったと、ニューヨークタイムズが取り上げたのが発端であります。トルコというのは親日意識の強い国として知られておりますが、その背景は日露戦争に日本が勝ったことでありまして、トルコを圧迫していたロシアを極東で日本が痛めつけたからでありますが、さて今でもそのままかどうかはこれから分かることでしょう。
30年くらい前の話でありますが、地中海をフィールドとして研究していた若い研究者がトルコを訪問しまして、警察か何かを取材していたら、日本では一般人のピストル所持ができないということを相手が聞いていたようでありまして、その研究者にピストルを渡して、警察署のビルの下を歩いている通行人を撃っていいよと言ったそうでありまして、命の軽さにびっくりしたというような話でありました。さて、今回の知事の発言に対してトルコからピストルの弾(たま)のようなものがが飛んでくるのかどうか。
日本で日本人の発言を考えるのと、海外の反応はまた別のことでありましょう。
2013年5月5日
今年の成人の日に雪がどさっと降ったのは記憶にあるんでありますが、あの時の雪は屋根で凍りつきまして、やがてどさどさ軒下に落ちたのであります。ベランダと家の裏の自転車置き場には半透明のトタン状の屋根材でひさしが付けてありますが、そこは雪が滑り落ちずに固まりまして、非常に危険な状態になった次第です。それは結局溶けて流れて何事もなかったのでありますけれども、問題は家の真ん中の真ん前の庭でありまして、軒下にはレモングラスとローズマリー、レモンバームにヘンルーダというようなハーブ類が並んでおりまして、特に匍匐性のローズマリーの古木はぺっちゃんこでありまして、その影響はいよいよここに来て顕著なのであります。たまたま、強烈な寒さでありましたから、覆い被さった屋根からの落雪は塩釜状態でありましたから、これをよいしょと持ち上げてローズマリーを救出したのであります。
ヘンルーダにミツバチが訪問中。
ローズマリーを「古木」と紹介した時点でひっくり返るほど驚く人が世の中にいると思うのでありますけれども、あれは「草」ではないのでありまして、売っているのを見たら「草」でありますが、実はれっきとした樹木でありまして、盆栽に仕立てたら結構な見物になるはずであります。我が家には葉っぱの色が微妙に違う2本のローズマリーがありますけれども、今年はそのうちの1本が花が咲いたのであります。
咲いたのでありますが、今や全体に枯れかけているのでありまして、かなり危険水域に達したのではないかと思うのです。雪の重みで根元の部分には相当強い負荷が掛かったはずでありまして、去年よりも地面に倒れかかっていて、例年なら垂直に伸びる枝葉が、今年は斜めに育ちまして、何か下支えが必要な雰囲気なのであります。スーパーなどでパックに詰められたローズマリーを見ますと、15㎝くらいの葉っぱが3本くらい入って400円くらいでありますが、あんなものなら今すぐに100パック用意できそうでありまして、品薄でしたらぜひご連絡下さい。気持ちよく市価の3倍くらいでお分けしてもようございますが、いかがでございましょう。冗談はさておき、ローズマリーは枯れかけているのでありまして、枯れないことを祈りたいと思います。
野尻湖で不幸な事件があったようでありますが、しかしこの時期に……。
野尻湖と言えば、長野県北部でありまして、すぐに新潟というような所であります。野尻湖のあるのは長野県上水内郡信濃町でありますが、「かみみのちぐん」「しなのまち」でありまして、実は簡単には読めない地名でありますが、俳人だった小林一茶の故郷柏原を町域に含む場所であります。さらに、黒姫山の麓にはいわさきちひろさんの別荘を移築して見学に供している黒姫童話館のような施設もありまして、避暑には最適の観光にももってこいの場所であります。「かみみのちぐん」は知らないにしても「しなのまち」や「のじりこ」は誰でも知っているものでありまして、さて、そこでの水難の報道が昨日巷に流れました。そう言えば、そう遠くない夏の日にカヌーをやりたいというも者どもが家族におりまして、野尻湖で開催されているカヌー教室に預けたことなどを思い出すのであります。
サツキがちらほら咲き始めました。
さらに一昔前には野尻湖の観光船に乗り込んだこともありまして、ぐるりと山に囲まれ、山肌には別荘も点在するような山峡の湖でありまして、さてこの時期多少若者がはしゃいだとしてあの湖に飛び込むものなのかどうか、不思議な気がいたします。学生時代の合宿などと言うものは、それは羽目を外すために出かけるものでありまして、踏み外して当然のものですから、時には世間知らずが露呈しまして困ったことになるのであります。残念無念、気の毒を通り越して呆然とするわけであります。
行ったことのある人なら分かると思うんですが、観光船の桟橋のあたりもそうですが、カヌー教室の催されるあたりも、夏でも自然に泳ぎに向かうという気分にはなれそうもない湖岸の風景でありまして、何がどうなると恒例行事と化すのか、摩訶不思議、理解できないことなのであります。たとえば、白砂青松が続きまして、打ち寄せる波は穏やか、足もとにはきれいなさらさらの浜辺の砂、きらめく太陽が肌を焦がすというのであればどうぞ好き放題になさいということですが、どれ一つ条件は整いません。
さて、ご覧いただきますのは、図書館で借りてきた『智恵子抄』であります。
それほど古い本ではないようでありますけれども、ぼろぼろになりまして、表紙は取れかけ、表紙の角はこすれて丸くなっております。透明シートで補修したんでしょうけれども、それももう劣化しておりまして、もはや貸し出しは限界に近いのではないかと思います。昔は、本の裏表紙を開いたところに貸し出し票が貼り付けてあって、貸出日と返却日がハンコで押されていたのかも知れませんが、今はバーコードが付いていて貸し出しは機械を使うと10秒で済んでしますのであります。そのバーコードの付いていたところがどうも気に入りませんので、パソコンで映像に加工しまして本来の表紙を再現してみた次第であります。
龍星閣発行の『智惠子抄』(通版70刷決定保存版)。
奥付を見ますと、初版第1刷が昭和16年(1941)8月20日でありまして、昭和23年(1948)に改版が出たようでありますが、昭和26年(1951)に新版を発行しまして、これが版を重ねて、借りてきた本は昭和47年(1972)12月1日新版の第52刷というのですから、30年間に70刷を重ねておりまして、きっと活版印刷の時代でありますから、活字だって磨耗しそうだったことが分かります。
著者はもちろん高村光太郎さんですが、編集兼発行者というところには澤田伊四郎さんのお名前が刻まれておりまして、奥付のあるページの右に、小さな活字でぎっしりと詰め込まれた「編集者附記」がその澤田伊四郎さんの名前で掲載されております。詩集としてはある意味異様なページでありますが、そこには『智恵子抄』がどのように形をなしたか、澤田伊四郎さんがどれだけ精魂傾けてこの詩集を作り上げたかと言うことが書いてあるのであります。この編集者附記には日付がありまして、昭和40年8月とありますから、おそらく龍星閣の『智惠子抄』にはこの編集者附記のないものが存在しているはずで、編集者としての矜持をどうしてもしたためて明記したかったのでありましょう。
青空文庫にも入っている『智恵子抄』ですが、この詩集を徒然に読もうかと思います。
コメント
コメントを投稿