まったりと物を捨てることを考える(29) update ver.

2016年3月13日

しかし、なんだかんだ言いながら、捨てるべきものの多いこと、多いこと。断捨離をし始めてみて、抱え込んだものの、そのすさまじい物量にあきれてしまうわけであります。


多分、高度経済成長の頃に、「三種の神器」というものが話題になりまして、それを購入することを目標に人々は汗を流したものなのであります。この場合の「汗」というのは、スポーツクラブでエクササイズをして流すものではなくて、正しく額に汗をかいて労働にいそしんだという意味であります。その三つと言うのは白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫でありまして、確かにそれらが我が家に登場した時を、私などはそれぞれ覚えているわけですから、それまでの日本の家庭と言うのは、室内には何もなかったことが分かるわけであります。


うっかりすると、ちゃぶ台ですら新しいアイテムであって、食事は箱膳でする、という習慣で成長した世代はまだ生きているはずなのであります。「箱膳」と言うのは、各自めいめいがご飯茶碗・汁椀・小皿・箸などを箱に収めて、食事時にそれを使って食事を済ませたわけであります。いえ、私は聞いて知っているだけで、私の記憶ではもうちゃぶ台で食事をしていたのであります。


三種の神器登場以前は、たぶんラジオが神棚あたりに鎮座し、室内中央にちゃぶ台、その上にハエ取り紙、洗濯はたらいで洗濯板を使ってごしごし、スイカを井戸で冷やす程度だったのであります。布団は敷布団に掛布団くらい、それも綿は極々薄かったのじゃないでしょうか。わずか50年前の日本の8割の家庭はそういう暮らしだったはずであります。


ローズマリーの狂い咲き。

が、しかし、高度経済成長によって豊かさと言うか、高額の買い物に目覚めた日本社会は、猛烈に新しいものを買いまくるようになったわけで、「新三種の神器」ということまで話題になりました。三種の神器が行き渡るか渡らないかというタイミングで、もう次の目標に人々は突進したわけで、数年で白黒テレビはカラーテレビに買い換えられ、クーラーを買い、自家用車を買い込んだわけであります。


我が家は夏はさわやかな寒冷地でありましたから、クーラーなんて不要でありましたが、他の二つは即座に登場しました。小学校一年生の時の我が家はがらんどうだったのに、六年生のころには、カラーテレビのほかにステレオセットが登場、自家用車は二台、納屋には田植え機に刈り取り機、耕運機も当たり前、リクライニングの電動マッサージ機だってやってきたのであります。


その後のことを考えると、加湿器、空気清浄機、布団乾燥機、ぶら下がり健康器、ガスストーブ、電気ストーブ、電気毛布、電気ごたつ、シャンデリア、応接セット、ゴルフセット、ラジカセ、カラオケセット、ダイニングテーブル、食器洗浄機、浄水機、ファミコン、ワードプロセッサー、ビデオデッキ、巨大なテレビ台、冷蔵庫も扉が二つの観音開きタイプ、カセットテープの付いた留守電、ああもうなんだか腹いっぱいの家電ばかりであります。


車だって、ミニバンを買い、軽トラを買い、ワゴンを買い、近所はスポーツカーを買ったり、ついにはベンツだフォルクスワーゲンだ、中国行った、ハワイに行った、フロリダに行った、そしてお土産の爆買いであります。中国の方たちの行動を言っているのじゃありません。1965年くらいから1995年くらいまでの30年間、日本人は狂ったように家電を買い、旅行代金を払って国外に恥を捨てに行き、ペットも買って飼い放題、家の中はガラクタだらけになったのであります。みんな同じはずであります。


そしてこの20年(2023年の今からすると30年)沈滞しつづけているわけで、古道具屋のような生活。


2016年3月14日

週末に何を断捨離したかというような自慢話を書こうとして、書いているうちに高度経済成長期からバブル崩壊期に掛けて、30年余りで家庭にどれだけのガラクタが発生したかということを書いてしまいました。もちろんそれは、今現在の私の住まいの話ではなくて、田舎に今ものこっている私の実家の話でありますけれども、書いてみて驚くような状態だったわけです。おそらく、あの家には昨日書いた家電品などがそのまま堆積しているはずなのであります。


じゃあ、今の住まいはどうなのかというと、これもまた違わないわけで、ここ5年くらいの間にも、パソコンは5台以上は処分しておりますし、オイルヒーターや電気ストーブ、石油ストーブなども5台は処分しております。エアコンも1台捨てて2台買い、扇風機も4台は捨てておりまして、車も下取りしてもらっております。この一年でもプリンターを2台、電子レンジ、洗濯機、テレビは3台と言う具合でありまして、捨てても捨てても捨てるものが出て来るのであります。


要するに、家の中に入り込んだ家電が数多いわけで、毎月1台は故障するか、機能が落ちましてお払い箱なのであります。これに細かい道具を加え、書籍や雑誌、ノートに文房具、封筒に便箋を加えたら、ものすごくいろんなものが流動化しているはずなのです。もう、断捨離するのしないのと言う趣味の問題ではなくて、生活の場を確保するための必死の行動でありましょう。


いろんなものを処分していて思うのでありますが、一時の流行で大量に出回ったものと言うのは、その流行が終わると二束三文でありまして、あっという間に価値が消滅するのであります。みんなが欲しがるから値が高くなっておりますし、欲しがらせるために強気で高い値段設定をするとも言えます。


ブックオフなどでは、一時のベストセラーが格安でありまして、売れに売れて増刷したところ、ぱたりと売れなくなって新本がだぶつくのでありましょう。近ごろの言い回しをすると、「消費し尽された」ということであります。はやりの物は、買った瞬間に価値が1割くらいになると心得るべきなのであります。流行ってはいないが良い物は、買った値段の8割くらいで売れたりするわけで、世間にないものだと買った値段の2倍だったりするのであります。


あるアイドル歌手のCD全集を持っておりますが、それだと買った値段の4倍が相場で、平均すると6倍くらいの値段でありますが、店頭で見かけたことがないのであります。その全集を、私の場合はCDにコピーもしておりますし、パソコンにも取り入れてありますけれども、しかし売ろうという気もないのであります。実売数がどれくらいだったのか不明でありますが、あるところにはあるのに、無いところにはまったくないのでありましょう。300セットくらいしか作らなかったのではないかと思います。


供給過剰と言う麻薬を捨てないと、この経済は落ち込みます。


2016年3月20日

暖かいと言えば暖かいのでありますが、数日後にはまた寒くなるというような予報も出まして、どうやら思ったほど春めいては来ないようであります。


相変わらず「断捨離」を志向しておりまして、一つ捨てると次に捨てるものが出て来るというような、言ってみれば「芋づる式」の断捨離になっております。断捨離の漫画を一つ買ってみましたら、巻末にやましたひでこさんのコメントが載っておりまして、「断捨離」はやましたひでこさんが考案したものだから、これを商業利用してはならないと宣言してありました。確かに10年くらい前には無かったはずの言葉ですから、それでいいと思うのであります。


漫画でなるほどと思ったのは、両親の家の話でありまして、子どもが家を去った後で、もう両親は家を掃除したり整頓する力を無くしていて、どんよりと空気が滞っていたというくだりでありまして、まあやっぱり50を過ぎたら家の中のガラクタを始末してお迎えの支度をしないと駄目だろうなあと言うことであります。子育てと言うのはハプニングの連続でありまして、そのために過剰な投資が為されるのであります。その結果積もり積もったものを、子育てが終了したら速やかに処分する必要がありそうです。


このひと月、この一週間でもものすごい量の不用品を処分いたしました。書き出したら他人が驚くのは目に見えておりますから、ぼんやりと暗示するにとどめたいと思います。


まだ咲いている水仙。

まず季節柄、確定申告にまつわる領収証の類であります。それを遡った3年分くらいを捨てましたが、これが段ボール3箱くらいあったかもしれません。毎日のように請求書や給付金のお知らせや領収証が家に侵入しますので、これを律儀に保管し置くとすごい量になるのであります。貧乏人なのに、ものすごい量であります。ほんとうのことですったら。


さらに貰ったけど着なかった和服をひとまとまり。今時は段ボールに詰めて送ると査定するというようなサービスもあるんですが、いつ仕立てたか分からないようなものでありますし、高価なもののはずがないので、暮らしているテリトリーギリギリのところにあるお店に持ち込んで査定してもらいました。心の中ではあまりの安さにのけぞりましたが、不用品がいくらかの現金になるだけでもめっけもんであります。


そして、むかし小学校などのバザーで家族が買い求めた食器や、買ったけど微塵も遊んでいないゲーム、携帯電話の契約でもらった景品の家電、そういうものも処分したのであります。さらに、20年以上使った、足にコロの付いた可動式のハンガーが、パイプの一部が折れまして、これも分解して捨てることになっております。服が20着は掛けられるんですが、もう捨てるだけにして、代わりを求めない方向であります。服がむき出しになる収納は、部屋が散らかっている感じが強いのでありまして、もっとさっぱり暮らすように努力いたします。


もっと捨てたものがあるんですが、書いているとキリがない。 

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