若い身そらで禿頭。(7) update ver.

2012年4月14日


私の職場にも禿げている人はたくさんいますので、まあこのブログの存在なんて知らない事でしょうから、たぶん知らぬが仏、怒っていたりはしないと思いますが、仮にさんざん宣伝しておいて、今回のタイトルなら後で殴られることだってあるでしょう。


昔職場で声を掛けられまして、「ちょっと話を聞いて」と言うことだったのでレストランのティータイムに招待されたんですが、出張して、仲良く飲んでいたら、最後に喧嘩になって殴られたんだそうであります。ほほう、やられましたか、あれは狂犬だと噂の人ですが、そばで飲んじゃったんだ、なんて言いながらコーヒーにチーズケーキでも注文して、おごってもらって食べたんだったでしょうか。


それでそれで、と聞きましたら、自分の住所の警察署に出向いて訴えようとしたんだそうであります。そうなの、聞いてくれたの?と水を向けると、もじもじしまして、

「それが、あんた職場でみんなに好かれてるの?」

って担当の人に聞かれたんだそうでありあまして、そうしたら本人は押し黙って、ずるずると後退して、退散してきたんだそうであります。なあんだ、それじゃあダメじゃん、と私は言ったかどうか。聞き手はもう一人いたかも知れないんですが、ともかくそれでどうするんだろうと眺めますと、裁判だ、訴えてやる、と握り拳に力が入るんですが、見たところ殴られた跡なんかどこにもありませんから、ようするに殴ったと言うよりは絡まれたんですね。


絡まれて平手打ちだか拳骨でコツンと叩かれたわけで、お互い酔っぱらってその程度ですから、どうもこっちもそぞろになりまして、訴訟って言ったって無理だよね、お医者さんに行ったの? というあたりでは、もう精算も済ませて背中を向けて別れていたと思います。悔しかったら、相手が飲んでいるところに後から忍び寄って、思いっきり逆襲しに行けばいいんでしょうけれども、もう大人になっていましたので、そういう危ないことも言わずに終わったわけであります。


職場で嫌われているなら、一発くらい殴られるだろうというのは、ごもっともでありまして。


もちろん、暴力なんてとんでもないのでありますが、空手や柔道やボクシングの達人が勤めている職場ではありませんから、お互いへなちょこパンチなんであります。きっと、相手が傷つくようなことをさんざんいい気になって言いつのったあげく、別れしなに一発お見舞いされて姿を消されてしまったようであります。それも、出張した先の相手の地元でありまして、広島だか岡山だか姫路だか、いや地名はわざとでたらめでありますからね、そこんとこはごまかさないと大騒ぎになりかねないんですが、訴えるにしても現場から数百㎞も離れた自分ちの前の警察署に出向いては相手にされないでしょうね。かすり傷一つない人間が殴られました、現場は関西の繁華街のお店ですが場所も名前も覚えていないんです、って言ったら、警察は動かないんじゃないでしょうか。


写真は、サツキの新緑の様子です。きれいな若葉。

仮に刑事さんが新幹線で出張しまして、「あんた、中野区の住人を殴ったんだって?」て聞かれても、知りませんって言われたらそれで終わりであります。それでは、出張できないでしょうね。そんなテレビドラマ、見たことないもん。世の中には、不思議なことがあるものなんです。


やっぱりその場で、気を失ってしまったとか、骨折したとか、お店のガラスが割れて弁償しなけりゃならないとか、お店の人が110番せざるを得ない状況だったとか、そう言うことでないと、おかしいんであります。考えて見れば、殴られるどころか、相手がおごってくれるまで褒めちぎったり、話を聞いたり、こっちの失敗談を聞かせて面白がらせたり、普通はそういう風に持って行って飲むことでありましょう。殴られるような挑発的なことをしておいて、訴えてやるというのは、いかにも大人げない行動だったようであります。何だか、私の妄想のような気もしてきましたが、そうではなくて実際あった話なのであります。若い方は参考になると思います。


さて、非常に問題のタイトルでありますが、それはどうやら竹久夢二の童謡なんだそうです。


   くれゆく春のかなしさは

   白髪頭の蒲公英の

   むく毛がついついとんでゆく

   風が吹くたびとんでゆき

   若い身そらで禿頭


これだけの詩であります。漢字が難しいので、平仮名で紹介すると、「くれゆくはるのかなしさは しらがあたまのたんぽぽの むくげがついついとんでゆく かぜがふくたびとんでゆき わかいみそらではげあたま」というものなのであります。


どこに出ているのかというと、岩波文庫の『新編俳諧博物誌』(柴田宵曲著・小出昌洋編)という文庫本なんですが、実は全然読んでいないのであります。これは平成11年(1999)1月18日に出版されたようですが、いつ買ったのかとんと記憶がありません。こういう文庫は危険でありまして、本棚を整理すると3冊くらい同じ文庫が出てきてしまいます。奥本大三郎さんが解説しているんですが、絶賛しておりまして、ついでに文学を研究している学者さんをものの見事に批判しておりまして、気持ちのいい解説なんであります。気持ちがよすぎて、ちょっと危ない解説でありますね。


全部読んでいませんから、後でじっくり読むことにいたします。いい加減な気持ちで、文庫本を紹介しているのであります。


竹久夢二の詩のほうは、蒲公英の綿毛を吹き飛ばした後の様子を、ふざけて見たんであります。竹久夢二のお墓は、東京の雑司ヶ谷霊園の中で見ることができまして、夏目漱石の墓と対照的であります。夏目漱石さんのお墓はごついのでありますが、竹久夢二のお墓は、まあなんだか小さいものだった記憶があります。 

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